ASATONのドキドキのシベリア鉄道体験記NO.12
「七日目(2002年7月16日)」

朝9時に朝食。10時からは いよいよ乗馬に挑戦である。昨日ガイドさんに乗馬経験がないけれど大丈夫なのか と聞いてみたところ、
「大丈夫と思えば 大丈夫。馬にはこちらの不安が伝わるから怖いなら止めた方が良 い。」
と言われていたんだけれどね。そりゃー、怖いよ、でもモンゴルで馬に乗りたくてこのコースにしたんだから乗らなきゃ!憧れの乗馬初体験なんだし。(料金がまた格安)

馬はゲル・キャンプの近くに連れてこられていた。モンゴル馬だー。大人しい性質の馬が観光客にはあてがわれる、という説明だったけれどどこがじゃ。ブヒヒヒイーと勢いよく嘶いていてちょっとびびってしまう。乗り方の説明はとっても簡単だった。そしてモンゴル人の馬を扱うスタッフの人達の手を貸りて馬に乗っかる。乗るまではあんなにどきどきだったのに、乗っかってしまえばそうでもない。なんだか気分が落ち着いた…。馬は群れて動くように訓練されているので、同じツアーの人達とグループになって出発。ガイドさんが
「まるでジンギス・ハーンの軍隊のようね。みんなでどこかの国を攻撃しに行きま しょうか?」
と冗談をとばす。ガイドさんは
「どこの国?中国にしましょうか。」
なんて言っていたけれど、アメリカ人の男性は
「ロシアを取ろう!」
なんて言ってました。うーん。

初めての乗馬だけれどぽくぽく歩くだけなら全然OK.。だけど“走る”ということになると運動音痴のAsatonにはバランスを取るのが大変でみんなに遅れがちであった。おまけに馬は初心者の観光客達を「ゆうことを聞かなくてもいいや」となめてかかっているらしく、他の馬の尻尾に自分の鼻水をこすりつけたり、誰かのジーンズをテイッシュペーパーがわりにしたりとやりたい放題である。これを制止させたいのだがなかなか大変。また、馬を走らせる掛け声が「チュ!」というのだが、私達の掛け声では 馬にはまるで聞こえていないようである。モンゴル人のスタッフの言う事にはすぐ反応するのだが。

途中で馬を降りて小休止。馬は敏感な動物なのでやたらに写真をとってはいけないといわれていたので、この時間が唯一の撮影タイムとなった。ガイドさんが教えてくれて気がついたのだが、ここにはエーデルワイスが咲いていた。以前スイスに行った時本物のエーデルワイスが見られず残念に思ったものだが、ここではあちこちに咲いている!ああ、これがそうなんだ…。(そして、頭の中にはあの名曲が流れ…♪)

モンゴル人のスタッフはおじさんだったがとっても素朴な感じだった。シベリア鉄道のあのモンゴル商人達とちがって なんだかのんびりしたオーラが流れていた。帰り道 おじさんがガイドさんを通して質問してきた。
「何でイギリスの旅行会社のツアーなのに日本人がいるの?」
そう、ガイドさんも同じことを昨日聞いてきたし、他のツアー客も機会があるとこの質問をしてきた。イギリスの旅行会社でこのルートを使った日本人はいままでいなかったそうだからね。みんな珍しくて仕方が無いらしい。

乗馬は午前中のみで一時間の予定だったが、11時に出発して12時半にゲル・キャンプに戻ってきた。一時間半だったけれどあっという間。乗馬はおしりがひりひりと痛くなるし、腿のあたりが痛かったりとお土産もついてきたけれど、馬に乗って見る大草原の景色はまた格別だった。

そうして1時に昼食を食べると2:30からはモンゴルの一般家庭のゲル訪問。半分は砂漠のような状態の草原を30分ばかし歩いて、ご近所にあるモンゴル人のゲルに到着。ちょうどの乳絞りの時間ということで、外でそれを見学。馬もいれば山羊もいる。そこの家の子供が2、3人裸足で羊を追い掛け回している。おおー、ハイジのような子達だ。ゲルのなかではみんなそこの家のベッドに腰かけさせてもらって、イドさんを通訳にしてご主人に質問をしたり、ガイドさんから遊牧民の生活について説明してもらったり。馬乳のミルクテイーと馬乳でつくったファッジのようなものや馬乳そのものをいただくけれど、はっきりいっておいしくない。いや、酸っぱいのだ馬の乳が…。大きなお椀に馬乳をなみなみついでもらったのだが、10人以上で回し飲みしているとゆうのに 量はちっとも減らなかった。

私達が考えていた一般家庭のゲル訪問とは違ったけれど、こんな生活もあるんだなあと考えせられた。トイレ設備はないので用を足すのはどうやら大自然の中。お風呂は無いので川で水浴び。ゲルひとつのなかで家族が生活。動物のお乳で食事をまかない…。冬はまた寒くて大変らしいし。でも、なんとも言えない素朴なところがモンゴルの良いところなのかも。

ゲル・キャンプに戻ってからはお昼寝をして7:30から夕食。昨晩は具合の悪かったYちゃんも今日は元気にすべての予定をこなしていた。よかった、よかった。

さて、夜の9時からモンゴルの民族音楽のコンサートがあるというのでそれも見に行くことに。草原の小高くなっているところがステージ。民族衣装をきた男女数人のミュージシャン達が楽器や歌をきかせてくれた。なかなか興味深かった。YちゃんとMちゃんは コンサートが始まる前にシャワーを浴びに行ったので、ちょっと遅れてきたのだが 「シャワーが水だったのよ!しかも、ただの水じゃないの、冷水なのよ。もう(気合を入れるための)掛け声をかけながらじゃないと入れなかったよ。」
「頭を洗ったんだけれど 水が冷たすぎて頭が痛くなるくらい。」
と、報告してくれたのでびっくり。その後、顔だけ洗いに行ったのだが死ぬほど冷たかった。昨夜はゲルの電球がつかなかったしねえ。こんなに辺鄙なところにあるから仕方が無いのかもね。(ちなみに翌日はお湯が出た)

コンサートの後、食堂でワインを飲んでいたらひょんなことからモンゴル人のガイドさん達とおしゃべりすることに。そう、ここには日本人のグループが泊まっていたので日本人用ガイドさんが何人かいたのです。日本人の若い人達と変わらないくらい小じゃれた感じだし、みんないい人達だった。20代前半と若いのにもびっくり。

みんな日本の相撲に興味があり、モンゴル人力士について熱く語ってくれた。私達が相撲に興味が無いと知って とてもがっかりしていた。シベリア鉄道で下がりっぱなしだったモンゴル人への印象も、ここにきてかなり変わってきた。ちなみにYちゃんは、彼らから
「あなたはモンゴル人に見える。私達によく似ている!」
と太鼓判を押されていた…。

つづく


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