ASATONのドキドキのシベリア鉄道体験記NO.9
「六日目(2002年7月15日)」

今日はいよいよモンゴルに降り立つ日である。久々にお風呂に入れるんだなあ。最初のうちこそ「お風呂に入りたいよー」という心境だったけれど、途中からなんだかどうでもよくなってきてしまった…。毎晩、清拭していたしね。

昨夜は2時近くまで入国審査等があって起きていたので、朝はのんびりと寝てしまっていた。モンゴルの首都ウランバートルには何時に到着するのか知らなかったし、車掌さんが一声掛けてくれるはず と安心しきっていたからねえ。ところがbloodyなうちらの車両の車掌(♀ちなみに車掌さんはほとんど♀ばっかしだった)は、教えに来てくれなかったのである。

で、あんまりにもさみしい駅なので、はじめはウランバートルに着いたとは思わずにいたのだが、ホームにたくさん人がいるし、まわりの乗客が降りる準備をしている。もしやと思って隣の金髪の西洋人のおねえちゃんに聞いてみると、「ここがウランバートルよ」と教えてくれた。

3人とも大変慌てた。これからゆっくり朝食を、なんて思っていたのにそれどころではない。大急ぎで荷物をパッキングして外へでる。ここには送迎の人がきているはずである。

ボードを持っている人はたくさんいるのに、私達のお迎えの人が見つからない。3人で別れて探していると、さっき質問した金髪の西洋人ねーちゃんが声をかけてきてくれた。
「Are you Yu++++?」

と友人のYちゃんの名前で尋ねられたのだが、この際細かい事はどうでもいい。
「Yes!」
と言ったところ、西洋人のひとかたまりのグループを指差して教えてくれた。そこにはモンゴル人のガイドさんがいた。Yちゃん、Mちゃんも呼んで無事にお出迎えの人と会う事ができた。このツアーってこんなに参加者がいたのか(おおよそ15人はいただろうか)。

ウランバートルの駅は失礼だけれど、とても首都の駅とは思えない感じであった。素朴なつくりとでも言ったらいいのか…。ここでラモス夫妻ともお別れであった。途中、話をする機会がちょくちょくあって聞いたのだが、彼らは恋人同士ではなくお友達だったそう…。ごめんね、 勝手にラモス夫妻なんて呼んじゃって。彼らはフランス人で夏の休暇をモンゴルでボランテイア活動に参加するためシベリア鉄道に乗ったのだった。そのボランティアは、日本のグループの主催なんだそう。そうだったのか、頑張ってね。

ツアー客が揃うと、まずはバスに乗ってホテルに。そこで部屋を一時間だけ貸してもらいシャワーを浴びたりくつろげることになっているのである。

ウランバートルは首都なのに舗装されていない道路があって、道はガタガタで、建物は古そうで、いままで見てきた国の首都とは趣が違う。“一昔前の日本(昭和20年・30年代)”とでもいった感じである。それなのに観光客用のバスは椅子のデザインもつくりもシンプルながら清潔だし、ホテルも西洋のホテル並の綺麗なところなのである。貧富の差がある国なんだなあと実感してしまった。

さて、ホテルでは3人に1部屋があてがわれたのでちょっと忙しかった。12時から1時の間に3人がシャワーを浴びなくては行けない。1人20分で速攻で入った。これからゲル・キャンプに泊まるのでその前にシャワーを浴びれるのはありがたい。すっきりしたあ。

そして、午後はガイドさんによる市内観光、というかウオーキングツアーがあった。大通りに出た時、ガイドさんが言った。
「ここがウランバートルのメイン ストリートです。これだけですから、わかりやす いでしょ。」
え、これだけ…。だってちょっと大きな道路にシンプルな建物があるだけじゃないか。どうもモンゴルという国を中国のように考えていたからか想像とギャップにとまどってしまった。首都はもっと賑やかだと思っていたからなあ。

ガイドさんは両替所とデパートに連れていってくれた。そこで解散し5時まで自由行動となる。デパートでお土産を買って、郵便局で切手を買って、中央広場とてもゆうべきところをみて、カフェでお茶をして…。他にすることがないし、手近に観光するところもないのである。で、早めにホテルに戻ることにした。それは他のツアーの人達も同じだったようで みんな早くに戻ってきていた。

  5:30にホテルを出発し、一路ゲル・キャンプへ。バスに揺られて10分もたたないうちに田舎の風景になった。どこまでも どこまでも大草原の中をガタガタと走り6:40にはゲル・キャンプに着いた。ここは想像以上の満足のいく所だった。

まわりにはなにもないのである。大草原の中にゲル・キャンプがぽつんとあるだけ。せっかく草原のゲルに泊まるのならこういう所でなきゃ!ここのキャンプは観光客用のなので中央に食堂とトイレとシャワー室が完備してあった。これはコンクリートのつくりでぴかぴか。とっても清潔で文句無し。但しトイレットペーパーをトイレに流してはいけないことになっていたのであるが、ついうっかり流してしまうので気を使ったけど。食堂棟を中心にして左右対称に20個近くのゲル(羊の皮でつくったモンゴル人の移動テント)が配置してあった。ここのゲルに2泊するのである。どきどきして自分達に割り当てられてゲルに入ってみる。

「うわあー、かわいい!」
3人は久々に女の子に戻ってキャーキャー言ってしまった。なんてかわいい内装なん でしょう。How Lovely!赤地に模様の入った箱のようなデザインのベット。中央にはちゃんとテーブルもあるし、薪で焚くストーブも。とても清潔な感じ。嬉しくって、嬉しくって、写真をとりまくっていました。こんな所に泊まれるなんて!

夕食は8時から。全員で食堂で食べるのだが、春雨サラダに羊肉のスープ、そしてチョコレートも。外国人の口に合うようになっていたのでおいしく食べれた。ところが、いつも元気で食欲旺盛なYちゃんがあんまり食べようとしない。残しているのである。どうやら具合が悪いようである。一人早めに部屋に帰って横になる事になったのだが、大丈夫だろうか。ここ標高高いからね。ウランバートルですら、カップラーメンの蓋がぷくーっと膨らんでいてびっくりしたのだけれど。確かウランバートルは標高1000近く、ゲル・キャンプは2000位あったのではないかな。

その夜はなかなか寝つけず、2回もトイレに行ったのだが電灯の無いなかを歩いていかなくてはならないので、懐中電灯があって助かった。深夜の2時に空を見上げると、なんときれいな星空…。北斗七星がくっきりみえる。

つづく


戻る